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![]() たかおまゆみ ヤギ飼い少年 モニ (後半)New!心の苦しみ 翌朝、きのうの夕方と同じように、モニは暗い気持ちでヤギたちを引き取りました。ヨーデルもせず、喜びもせず、ただ下を向いて、だれかに声をかけられやしないか、時折あたりを見回したりしました。 どうしてこんなに喜べなくなってしまったのか、モニにも… |
![]() 伊豆野良江 クルンバー館の怪異第十五章 ジョン・バーシア・ヘザストーンの日記(後半) 敵が最後の砦としている堆積した岩の脇の絶壁に、野獣の住んでいそうな洞窟があっ た。その暗い穴から、いきなり一人の老人が現れたのだ。老人も老人、普通の老人など、 洟垂れ小僧に見えるほど年を取っている。髪もあごひげも長く、雪のように白い。黒褐色の顔は皺だらけで、まるで猿とミイラの合いの子のようで、手足も骨と皮ばかりに… |
![]() 佐藤志敦 わたしのロビン(後半)わたしはテーブルに向かってお話を書きながら、ロビン君がやってきて、おなじみのち いちいという声を聞かせてくれるのを待っていました。ふと目をあげると、近くのリンゴ の木にとまって小首をかしげていたので、口笛とさえずりで挨拶し、もちろんいつもどお り楽しくおしゃべりしようとロビン君が降りてくるものと思いました。… |
![]() 桃山まや ドイツの保養所で訳了にあたって小説によっては、読んでいる時に、その作者とおしゃべりをしているような錯覚にとらわれることがある。この短編集もそういう作品の一つだった。喫茶店かどこかで、向かいの席に腰をおろしたマンスフィールドが、うっ憤晴らしをするように、わたしにドイツ人たちの悪口を言っている。ときには切なく、ときには滑稽に、彼女は人間たちがかかえる矛盾をあげつらう。ドキッとするほどその言葉は辛辣で容赦ない。やがて話は恋愛問題へと発展してゆく。彼女は男女の愛には懐疑的だ。永遠の愛などという幻はとっくの昔に切り捨てて、奔放に恋を求めているように見える。けれど、我を忘れて恋にのめりこんでいけるかといえばそうでもなさそうだ。わたしは一人の女として、彼女の抱える矛盾やいら立ちに共感しながらも、あまりに研ぎ澄まされた感性を持つゆえの苦しみに、同情を覚えずにはいられなかった。ともあれ、ひとくさり男たちの悪口を言ってしまうと、彼女はすっきりしたように、笑顔で喫茶店から出て行った。わたしはかけがえのない友達の後ろ姿に向かってつぶやいた。
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ミス・ペティグルーの素敵な一日映画 "Miss Pettigrew Lives For A Day" の予告編はこちら 場所はロンドン、時は20世紀初頭。元祖・ハケンのミス・ペティグルー(貧乏+40才+キャリアなし+家族なし)が、ある日、職業斡旋所の手違いで売れっ子美人歌手の家に派遣されていきます。ところが面接もはじまらないうちから、美人歌手やその3人の恋人たちや女友達をめぐるトラブルにまきこまれ、なぜかなりゆきで解決。すっかり気に入られたミス・ペティグルーは、美人歌手の助けで見違えるように美しく変身し、生まれてはじめてパーティーに行ったり、男性との駆け引きを楽しんだり、これまで知らなかった世界をのぞきます。そしてついには素敵な恋まで見つけるという大人のためのシンデレラ・ストーリー。2008年米公開の映画原作。アカデミー賞女優フランシス・マクドーマント演じるミス・ペティグルーの変身ぶり、歌手役エイミー・アダムズの美女っぷりをぜひ劇場で観てみたいものですが、日本公開は今のところ未定の模様です。 負け犬訳者が贈る、大人の女性のための夢物語。負け犬さんも、そうでない人も、これを読んでハッピーをつかみましょう! |
![]() 北村京子 【藤岡ゼミ卒業作品】『本とタバコ』八月はサンフレア・アカデミーの、今年の三月に始まった「藤岡ゼミ」の最終月。モームの“Louise”や“Summing Up”を読んできたのだが、参加者の北村京子さんのモーム訳に驚いた。「オーウェルがあるよ、卒業記念にオーウェルを訳しておこう」と呼び掛けた。幸い版権がない。翻訳が出来上がった。北村さんにはすでに八年の翻訳歴があるが、文学ものは初めて。それがジョージ・オーウェルだから、ちょうといい、少しオーウェルにのめりこんで、いやサマーセット・モームでもいいのだけど、新鮮な文体を生み出してほしいな。オーウェルやモームを料理できれば、もう怖ものはない。 |

































