入門翻訳勝ち抜き道場

エッセイ:翻訳の現場から

リサーチ! ベトナムの恋愛事情! (第3回)

長崎祐子
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この手の公園は、夜になるとカップルだらけ。カップル同士の間隔が狭いので
「あれでよく落ち着いて話せるな」と思った。

「ベトナム男性はいいわよ! 全部オゴリだもん。日本人はワリカンでしょう?」

現地女性にズバリ言われてしまった。ワリカンで不自由したこともないが、そういわれると少しうらやましくなる。以前は根強かった「支払いは男性の仕事」という常識は、日本ではバブルと同時に弾け飛んでしまった。

それぞれのお国柄によって、恋愛観は変わってくる。

ベトナムを長く統治したフランスの逸話といえば、時の首相とある記者とのやりとり。

「首相、愛人がいるとききましたが・・・」

「ええ、いますよ。それで?」
立場ある首相のしれっとした態度には笑ってしまった。

次にベトナムを支配しようとしたアメリカ。今では日本以上に独身生活を謳歌する人も多い様子。アメリカンの友人曰く、連絡のマメさが愛情の証だったりするらしい。

ベトナムが両国の恋愛観の影響を受けたかといえばNO。日本と比べても、保守的な部類に入るだろう。宗教上の考えもあり、なにしろ結婚前の娘は外泊絶対厳禁! 成人であろうが30代であろうが、とにかくダメなものは絶対にダメだという。

「お母さんにスッゴイ怒られるよ〜っ!」とは、前出のベトナム女性。

「ならエッチはどうするの!? 結婚前はナシなの?」とライター根性丸出しに突っ込むと、

「するわよ。ホテルに行ったりするの。でも夜には帰るのよ」

ベトナムでは、デート代、ホテル代、すべて男性が負担するのが基本。ワリカンなんてもってのほか。とにかく結婚するまでは、女性は財布を出す必要がない。

公園や埠頭でデートするカップルが多いのは、実は男性側の財政事情のせいかもしれない。ベンチがない場合はバイクのシートに横並び。完璧に二人の世界ができあがっていて、思わず目をそらした。

話を聞いたベトナム人の彼女は、くるりとしたアーモンド型の瞳に、愛嬌のある顔立ち。胸まである長い髪を後ろでひとつにしている。日本の岐阜県多治見市に、出稼ぎで3年住んでいたという。だから、昨今の日本男児はおごらないということをよく知っている。初めて日本に来た時は「日本の男性はケチね!」とベトナム女性同士でガールズトークしあったに違いない。

その後、彼女は日本滞在中に出会った同僚のベトナム人男性と結婚した。そして出稼ぎで貯めた200万円で、田舎の両親に家をフレゼントしたという。今では覚えた日本語を活用し、日本の旅行会社で働いている。

女性天下のお財布事情も、結婚後は話が別。家も財産も、結婚したらすべて夫婦の共有財産になる。離婚となれば当然折半。家だろうか、家財だろうがすべて分ける。
「夫の稼ぎが少ない場合はとられちゃうの。だから結婚に慎重な人も多いのよ」
アジアのどの都市でも、最近は晩婚化が進みつつあるのかもしれない。

ベトナム女性は、戦争でも前線で戦った強者ぞろい。そんな彼女たちの強さは、普段の生活からも伺える。

たとえば市場に行っても、男性のほうが交渉にあまい、あまい! ベトナムは定価がないので、価格は直接交渉しなければならない。そのとき、どんな人の良さそうなおばさんでも、旅行者には通常の2倍はふっかっけてくる。

ところが、男性はというと正直にも現地価格を提示してしまう。

クシャクシャのお札を出すと文句を言ってくるのは女性で、それをたしなめて「いいじゃないか」というのは旦那の役目。

ベトナムでは女性が強くしたたかで、男性が心優しいという図式が描けてしまう。

 いつも、どこの国でも共通して感じるのは「女は強い」のひとことだ。

仲良く並んでいるのは夫婦のお墓
仲良く並んでいるのは夫婦のお墓。ベトナムでは墓の場所に規制がないらしく、
田んぼの中に棺おけが置いてあることも・・・!