チャレンジしましょう!

出題に当たって翻訳をしたい――みなさんは、なぜ、そんなふうに思われるのでしょう?「英語が好き、文学が好き」「ことばで何かを創りたい」人それぞれ、理由はさまざまだと思います。翻訳を仕事にするということは、ひとつには、誤訳はもちろん、その文章の味付けのようなもの、いっさいに責任を持つことです。こんなに大変なこと、趣味でこつこつ翻訳している方がずっと楽しいかもしれません。でも、やっぱり、本にしたいんですよね。

翻訳は、音楽の演奏や料理に似ていると思います。同じ楽曲でも、リヒテルとアシュケナージでは別の曲のよう。同じ食材でも、レストランのシェフの味は出せなかったりもする。どうしたら自分の納得できるものができるのか試行錯誤しては、落ちこんだり、嬉しくなったりするところ、基礎を固めてこそ、自分のオリジナルが活きるというところも似ています。そして、よい演奏、美味しい味がたくさんあるように、よい訳もひとつだけではありません。

よい訳を創るためには何をすればよいのでしょう。それには自分の訳を、多くの人の目に触れさせることだと思います。それによって、自分の訳を客観的に見られるようになります。私の評価は、そのためのひとつの意見にすぎません。可能なら、この道場をきっかけとして、お友達と意見を交換し合ってみてください。何度も何度も、この言葉でいいのかな、と吟味してください。

この入門道場では、読解力に重点を置きます。ただ、英文解釈の間違いは他人が指摘できますが、日本語による表現、つまり味付けのようなものには、たったひとつの正解はないと思います。ちょっとしたミスタッチや、塩加減の失敗は気になさらずに、まずは演奏を楽しむように、料理を楽しむように、翻訳にチャレンジしてみてくださいね。(藤田優里子)

The Oxford Book of Children’s StoriesのThe Two Wishes(1877) から出題します。 Susan Coolidge(1845-1905)はアメリカの作家で、St Nicholasという雑誌に常時、寄稿していました。このSt Nicholasは、当時、とても人気のあった子供向け雑誌で、5歳から18歳を対象にしていました。1873年に創刊し、1941年まで続いています。

冒頭を課題にしましたが、ぜひテキスト全文にも目を通してください!

下線部を訳してください:

第26回  出題テキスト

2010/03/12 11:41:25
Pierot and Pierotte were a small brother and sister who were always wishing to be something that they were not, or to have something which they had not. They were not unhappy or discontented children――far from it. Their home, though poor, was comfortable; their parents, though strict, were kind; they were used to both, and desired nothing better. Wishing with them was a habit, an idle game which they were forever playing. It meant little, but it sounded ill; and a stranger listening, would have judged them less well-off and cheerful than they really were.
'I wish I needn't wake up, but might lie still all day,' was Pierotte's first thought every morning; while Pierot's was, 'I wish Pierotte wasn't such a sleepyhead, for then we could get out before sunrise, and gather every mushroom in the meadow while the Blaize children ate still snoring in their beds.’
出題日:2010/03/01  応募締切日(午前10時):2010/03/15  講評・成績発表日:2010/03/23
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