第27回 『松田浩一の特許翻訳勝ち抜き道場』 の評価結果

出題日:2011/12/19  応募締切日:2012/01/16  講評・成績発表日:2012/01/30

出題テキストSEAT SENSOR APPARATUS FOR OCCUPANT PRESENCE DETECTION <US20100192698>
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SEAT SENSOR APPARATUS FOR OCCUPANT PRESENCE DETECTION

TECHNICAL FIELD

[0001] The present invention is directed to a sensor apparatus disposed in a vehicle seat for detecting the presence of a seat occupant.

BACKGROUND OF THE INVENTION

[0002] Motor vehicles are customarily equipped with seat occupant detection sensors for use in connection with occupant safety systems including seat belts and pyrotechnically deployed restraints such as air bags. For example, an occupant detection sensor can be used in connection with a seat belt switch to detect an unrestrained seat occupant and trigger an appropriate reminder. Additionally, occupant detection sensors can be used to enable or disable air bag deployment for a particular seating location in the vehicle, and potentially to classify the occupant by seated weight.


[0003] A common approach to seat occupant detection involves installing one or more pressure-responsive sensors on, in, or under the bottom foam cushion of the seat. In some cases, the pressure is measured and compared to one or more calibrated thresholds, as shown for example, in the published patent application US 2006/0196281 A1. In other cases, a calibrated occupant seat pressure is detected by closure of one or more switches, as shown for example, in the published patent application US 2008/0203712 A1.
総合評価 第27回課題解説

【採点基準】

英文読解力 : 5点
和文表現力 : 5点
専門の知識 : 5点 (主に論理展開の正確さを重視します)


SEAT*1 SENSOR APPARATUS FOR OCCUPANT*2 PRESENCE*3 DETECTION

TECHNICAL FIELD

[0001] The present invention is directed to*4 a sensor apparatus disposed in a vehicle seat for detecting the presence of a seat occupant.

BACKGROUND OF THE INVENTION

[0002] Motor vehicles are customarily equipped with seat occupant detection sensors for use in connection with*5 occupant safety systems including seat belts and pyrotechnically deployed*6 restraints such as air bags. For example, an occupant detection sensor can be used in connection with a seat belt switch to detect an unrestrained seat occupant and trigger an appropriate reminder. Additionally, occupant detection sensors can be used to enable or disable*7 air bag deployment for a particular seating location in the vehicle, and potentially to classify the occupant by seated weight.


<訳例>

【書類名】明細書
【発明の名称】乗員の存在を検出するための座席センサ装置
【技術分野】
【0001】
 本発明は、座席乗員の存在を検出するための、車両の座席に配置されたセンサ装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
 自動車には通例、シート・ベルト、およびエアバッグなどの火工技術式に展開する拘束器具を含む乗員安全システムとともに使用するための座席乗員の検出センサが装備されている。たとえば、乗員検出センサは、シート・ベルト・スイッチとともに使用して、拘束されていない座席乗員を検出し、適切な合図をトリガすることができる。さらに、乗員検出センサを使用して、車両の特定の着座位置に対してエアバッグの展開を可能または不能にすることができ、場合によっては着座重量によって乗員を分類することができる。


<翻訳のポイント>

 今回は平易な構文でしたので、いわゆる構文解釈ミスは少なかったのですが、一方で訳語の選択ミスまたは解釈ミスが散見されました。重要な訳語の場合、選択ミスがときとして文意を大きく損なうことにもつながりますので、様々な角度から検討して最適な訳語を決定するよう努めましょう。


<個別の解説>

(1) "SEAT" は「シート・ベルト」などの複合語であれば誤解も生じませんが、"sheet" など他の用語と混同する恐れもありますので、今回のケースでは「座席」などの訳語が適切でしょう。

(2) "OCCUPANT" いくつかの訳語が見受けられましたが、「乗員」がピタリと当てはまりそうです。

(3) "PRESENCE" を「有無」と勇み足で訳した方もいらっしゃいました。語呂としてはよいのかも知れませんが、やはり「存在」と訳しましょう。

(4) "directed to" は「~を対象とする」と訳すとよいでしょう。一般には "relate to" で「~に関する」が定型表現としてありますが、ひとまず訳し分けましょう。

(5) "in connection with" を「接続して」などと訳した方もいらっしゃいましたが、物理的に接続することを意味するものではありません。この場合「~とともに」、「~と関連して(連動して)」などの訳が当てはまります。

(6) "pyrotechnically deployed" は解釈ミスの多かった箇所です。エアバッグの動作原理を少しでも下調べすればたどり着ける訳語ですが、そうした一手間を惜しむと辞書に書いてある訳語から抜き出すだけの訳になりがちです。"deploy" も「配備・配置」ではちょっと意味が通じない(あるいはおかしい)と感じるはずです。

(7) "enable or disable" では "enable" を「(作動)可能」、"disable" を「(作動)不能」と訳すことができます。「有効/無効」の訳も考えられそうですが、極力色の付かない表現を用いる方が無難でしょう。


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翻訳の泉(原著)
 http://www.honyakunoizumi.info/class/index.htm
mixi翻訳の泉(個人管理の翻訳コミュニティ)
 http://c.mixi.jp/honyaku
Facebook翻訳の泉(個人管理のFacebookページ)
 http://www.facebook.com/honyaku.no.izumi
日経BP(Tech-On)
 http://techon.nikkeibp.co.jp/
 

優秀者

氏名 訳文 得点 コメント
天衣無縫 【書類名】明細書
【発明の名称】乗員存在検出用座席センサ装置
【技術分野】
 【0001】
 本発明は、車両の座席に配置された、座席乗員の存在を検出するセンサ装置に関する。
【背景技術】
 【0002】
 自動車には通常、座席乗員検出センサが備え付けられており、このセンサは、エアバッグなどの起爆展開式の拘束具およびシートベルトを含む乗員安全システムと併用される。例えば、乗員検出センサは、拘束されていない座席乗員を検出し、適切なリマインダを作動させるために、シートベルトスイッチと併用され得る。さらに、乗員検出センサは、車両における特定の着座位置に対するエアバッグ展開を有効または無効にするために、また潜在的には、乗員を着座重量によって分類するために使用され得る。
読解:★★★★★
表現:★★★★★
専門:★★★★
よくまとまっています。正解としてもよかったのですが、一点「リマインダ」のカタカナ語に引っかかりました。機械系や電気系ではほとんど目にしませんし、他の言い換えができない用語でもないと判断し、専門知識で1点減点しました(惜しい)。
Mamo 【発明の名称】着座者の存在検出用シート・センサ装置
【技術分野】
【0001】
 本発明は、車両のシート内部に配置されて、着座者の存在を検出するセンサ装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
 自動車は通例、シート・ベルト、およびエア・バッグなどの起爆剤により展開する拘束装置を含む着座者安全システムと共に使用するための、着座者検出センサを装備している。着座者検出センサは、たとえば、無拘束の着座者を検出して適切な注意喚起を行うために、シート・ベルト・スイッチと共に使用できる。さらに、着座者検出センサは、自動車内の特定な着座位置のエア・バッグを展開可能にしたり展開不可能にしたりすること、および潜在的には、着座時の体重によって着座者を分類することに使用できる。
読解:★★★★★
表現:★★★★
専門:★★★★★
【書類名】明細書の項目名もできれば訳出しましょう(減点対象ではありません)。技術内容の理解に問題はなく、よくまとまっていますが、いくつか表現に課題を残しました。「無拘束」については、「無・非・不」のどれが適当でしょう。もし悩ましいのであれば「拘束されていない」と訳しましょう。「特定な着座位置」は「特定の着座位置」でしょう。ちょっとしたことですが気になります。最後の一文は少々冗長です。簡潔に言い切りましょう。
ともぴょんひろちゅん 【書類名】明細書
【発明の名称】乗員存在検出用の着座センサ装置
【技術分野】
【0001】
 本発明は、座席乗員の存在を検出するための車両座席に配置されたセンサ装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
 自動車には、習慣的にシート・ベルト、およびエアバッグなどの火工技術式に展開する拘束器具を含む乗員安全システムと関連して使用するための座席乗員検出センサが装備されている。たとえば、乗員検出センサは、シート・ベルト・スイッチと関連して使用して、拘束されていない乗員を検出し、適切な合図をトリガすることができる。さらに乗員検出センサは、車両内の特定の着座位置において、エアバッグの展開を可能または不能にするために使用することができ、着座重量によって乗員を類別するために使用することができる可能性もある。
【0003】
 座席乗員検出の一般的な手法は、座席の底部フォームクッションの上、内、または下に1つまたは複数の圧力応答式センサを取り付けるものである。ある場合には、たとえば米国特許出願公開第2006/0196281A1号に示されるように、圧力が測定され、1つまたは複数の閾値と比較される。ほかの場合には、たとえば米国特許出願公開第2008/0203712A1号に示されるとおり、較正された乗員着座圧力が、1つまたは複数のスイッチの閉鎖によって検出される。
読解:★★★★★
表現:★★★★
専門:★★★★
よくまとまっていますが、課題範囲を逸脱して訳出することはプラスには働きません(専門知識で1点減点しました)。「存在を検出するための車両座席に配置されたセンサ装置」は「存在を検出するための、車両座席に配置されたセンサ装置」と読点を入れることによって修飾関係が明確になります。